2025-12-11建設情報コラム
技術士試験「7年で合格」者が語る!最短ルートと発注者支援への道
建設業界で働く皆さん、キャリアの頂点とされる技術士資格の取得を目指していますか?この難関資格に挑戦する際、「どれくらい勉強時間が必要なのか」「本当に合格できるのか」といった不安は尽きないでしょう。特に、業務と並行して勉強を進める社会人にとって、効率的な戦略は不可欠です。
今回、技術士試験(建設部門、土質及び基礎)に7年という歳月をかけて挑戦し、見事合格を掴み取った現役の建設コンサルタントである『テクテク講師』との対談を通して、そのリアルな道のりを徹底的に深掘りしました。彼の経験から得られた教訓は、知識を「合格点」に変えるための具体的な勉強戦略、筆記試験の「書き方」の極意、そして多くの人が恐れる口頭試験の突破術です。
この記事を読むことで、あなたは合格に必要な具体的なステップを知り、無駄のない勉強計画を立てられるようになるでしょう。
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記事では伝えきれない、技術士試験の勉強方法やマインドセットなどを、動画でさらに詳しく解説しています。ぜひ、こちらもご覧ください。
技術士試験合格への第一歩:なぜ今「発注者支援」と技術士資格が求められるのか
建設業界のDX化や技術の高度化が進む現代において、技術士資格は単なる名誉ではなく、特定の技術分野における専門性と信頼性の証として、その重要性を増しています。
特に、公共工事の発注者側をサポートする発注者支援業務においては、技術士のような高度な専門知識を持つ人材が強く求められているのです。
技術士資格取得を目指した理由とネームバリュー
テクテク講師が技術士資格取得を目指したきっかけは、彼が携わる技術開発の現場において、技術を正しく理解し、それを周囲に普及させる必要があったからです。
技術開発をするうえで、最も重要になるのが「技術を知っていること」です。その知識を社内外に広め、多くの人と円滑にコミュニケーションをとるためには、自身の
専門性を示す客観的な裏付けが必要になるのです。
その際、技術士という資格は、非常に強力な「ネームバリュー」として作用します。技術士であるという事実は、彼が持つ高度な知識や技術力を証明し、議論の場での説得力や信頼性を格段に高める効果があるのです。
技術士が持つキャリア戦略やメリットに関しての詳細は
こちらの記事をご覧ください。
発注者支援業務とは:技術士が活躍するフィールド
発注者支援業務(公共工事の発注者をサポートする仕事)は、国土交通省やNEXCOなどの発注者側に入り、工事の計画策定、積算、監督、検査などの多岐にわたる業務を技術的にサポートする仕事です。
この分野で活躍するには、現場での施工管理経験に加え、多角的な視点から技術的な課題を解決する高度な能力が求められます。まさに、技術士が培ってきた専門知識と応用力が最も活かせるフィールドの一つでしょう。
現在、国土交通省やNEXCOでの発注者支援業務の求人サイトが公開されており、高い専門性を持つ技術士は希望の働き方と合わせたキャリアを築くチャンスがあるのです。
技術士が拓く未来:年収1,000万円超えとさらなるキャリア
技術士資格の取得は、知識の増加だけでなく、「世界が広がる資格」であるとテクテク講師は断言しています。
テクテク講師は現在、その技術力を生かした部門で活躍しており、彼の技術提供は顧客の工事成績にも関わってくるほど重要な役割を担っています。具体的な年収について尋ねたところ、ざっくりとした額として1,000万円という数字が示されました。
発注者支援業務の年収の相場と傾向に関しての詳細は
こちらの記事をご覧ください。
これは、
高度な専門性と技術的な信頼性が、市場において正しく評価されていることの証と言えるでしょう。技術士になるための勉強を通じて、自身の知識は飛躍的に増加し、それが現在のキャリアを支えているのです。
彼は、技術士を目指す前に一級土木施工管理技士資格を取得しており、今後もコンクリート診断士など、専門分野を深める資格にも意欲を見せています。技術士資格は、このように
継続的なキャリアアップの土台となるのです。
【合格者のリアル】技術士試験「筆記」を突破する具体的な勉強法と時間
技術士試験、特に筆記試験は、広範な知識と、それを論理的に記述する力が求められる最大の難関です。しかし、合格者が実践した具体的な勉強方法と時間の使い方を知れば、無駄な時間をかけずに最短で合格に近づくことができます。
7年間で掴んだ!知識を点数に変える「書き方」の極意
テクテク講師は7年間挑戦を続け、最初の数年間で「知識を詰め込むだけではダメだ」という重要な教訓を得ました。
彼は、最初の1年間は平均して毎日4時間もの勉強時間を確保し、各種指針(盛指針や軟弱指針など)を読み込み、ノートにまとめるという作業にひたすら取り組みました。しかし、その年の試験は「全くできなくて」不合格だったのです。
この経験から、知識そのものよりも、その知識を「どのように表現するか」「合格論文としてどのように書かないとダメなのか」という書き方こそが合格の鍵であると確信しました。
外部講座を活用し、「解き方」を学ぶ
自己投資として、社外の講座に申し込み、知識を論文として表現する「解き方」を教わりました。会社が受講をサポートしてくれたことも、大きな後押しになったそうです。
「基礎点+アルファ点」を狙う
求められている課題に対して、技術士として最低限必要な基礎点を確実に書きつつ、さらに求められる高度な技術力や応用力(アルファ点)を上乗せすることで、合格点である60点を超える答案を作成できるようになったのです。
古い書き方や、ただの知識羅列では、現在の技術士試験では合格できないという現実を理解し、アウトプットの質を上げる訓練が不可欠なのです。
成功者が実践した効率的な勉強時間と時間の捻出方法
技術士試験は長期戦となるため、無理なく継続できる勉強時間の確保と、モチベーションの維持が極めて重要です。
テクテク講師が合格までに要した平均的な勉強時間は、最初の3年間で毎日3時間程度でした。資格取得に必要となる勉強時間と効率的な学習スケジュールに関しての詳細は
こちらの記事をご覧ください。
多忙な業務の中で、この時間をどのように捻出したのでしょうか。
時間帯と場所の工夫
主な勉強時間は「夜」でした。
仕事帰り、帰宅して家族との夕食を済ませた後に、近くの喫茶店に立ち寄るというパターンが多かったそうです。喫茶店で1時間半ほど集中して取り組み、帰宅後さらに寝る前に2時間ほど勉強するという生活を送っていました。喫茶店は自宅よりも集中できるため、効率的な勉強場所となったそうです。
この継続的な勉強と、集中できる環境の確保が、彼を合格へと導きました。彼は、論文の構成を訓練によって細かく練習していたため、問題を見てから書き始めるまでの時間が短く、本番で時間が余るほどのスピードで論文を書き上げることができたのです。
得意分野に絞り込む戦略と過去問活用術
技術士試験は範囲が広いため、闇雲にすべてを網羅しようとすると、かえって深みがなくなってしまいます。
テクテク講師が実践したのは、「得意分野に絞り込んだ」戦略です。
- 専門分野の徹底強化:自身の専門分野である「南弱地盤の盛土」に関する問題に集中して解答できるように特化しました。
- 不得意分野の戦略的回避:切土やその他の苦手な問題については、深く問われる問題(例えば選択科目Ⅱ-2など)は避け、広く浅く一般知識で答えられる程度に留めるという戦略をとりました。
- 過去問の徹底分析:過去問題は、直近の5年から10年分を必ず確認し、傾向を把握して勉強を進めていました。
自分の強みを最大限に活かし、弱点は戦略的に回避することで、効率的に合格ラインを超える点数を狙うことが可能になるのです。
合格の天王山!技術士「口頭試験」の突破術:失敗から学んだ心構え
筆記試験を合格した後に待ち受けるのが、口頭試験です。テクテク講師は3回の挑戦を経て合格しており、その失敗と成功の経験は、多くの受験者にとって非常に貴重な指針となります。
3回の挑戦でわかった口頭試験の難所と質問傾向
テクテク講師が経験した最初の不合格の要因は、
深掘り質問への対応不足でした。
過去の口頭試験では、少しでも曖昧な発言をしてしまうと、その点について深く掘り下げられ、それに対して答えられずに時間が過ぎてしまい、不合格となるケースがあったそうです。これは、受験者が自身の業務経歴や論文内容について、表面的な理解に留まっている場合に起こりやすい問題です。
しかし、最終的に合格した際には、質問される内容が「定型的な質問」に変わっていたと感じています。これは、事前にしっかりと準備しておくことで、質問に答えることができ、スムーズに試験を終えることができるようになったことを意味します。
口頭試験対策の鍵は、自分の業務経歴や論文内容について、あらゆる角度から質問が来ても答えられるよう、定型的な回答を用意しておくことなのです。
技術士と施工管理技士の役割や試験内容の違いに関しての詳細は
こちらの記事をご覧ください。
緊張に打ち勝つ直前の準備と心構え
口頭試験は、独特の雰囲気に飲まれてしまうと、実力を発揮できなくなることがあります。テクテク講師は、この「緊張」を回避するために、独自の心構えと準備を実践していました
- 無の意識:彼は、「無に近いと思います」「何も考えないように」ということを意識していました。場の雰囲気に飲まれないように、過度な緊張が判断力を鈍らせるのを防ぐための、徹底した自己防衛策です。
- 周囲からの遮断:周りの受験者の緊張が自分に移るのを避けるため、試験会場のギリギリまで外にいました。
- 直前の行動:近くの喫茶店で時間を潰し、入室直前は目をつぶって、自分のモットーや重要な知識を頭の中で繰り返すという行動をしていました。
こうした工夫は、本番で落ち着いて、練習した内容を正確に出力するために非常に重要なプロセスなのです。
必須の対策:模擬面接で「伝わる話し方」を磨く
筆記試験の「書き方」と同様に、口頭試験では「伝わる話し方」を身につけることが不可欠です。
テクテク講師は、口頭試験に対しても徹底的な準備を行いました。過去に不合格を経験したことから、本番では社外の講座を3回ほど受講し、模擬面接を重ねたとのことです。
- 模擬面接の価値:先輩などに練習を手伝ってもらうのは「恥ずかしい」という気持ちもあったそうですが、合格のためにはそんなことは言っていられないと決意し、積極的に対策を行いました。
- 勘違いの修正:模擬面接を重ねることで、自分が知識や経験について勘違いして認識している点や、「それじゃ伝わりません」というような表現の不備を指摘してもらうことができ、大きく改善につながったそうです。
これは、たとえ自分が正しいと思っていても、相手(試験官)に伝わらなければ意味がないという、技術士として重要なコミュニケーション能力の訓練でもあります。
モチベーション維持と合格を加速させる戦略
技術士試験は長期にわたる勉強が必要です。仕事と並行して勉強を進める社会人にとって、モチベーションの維持は最大の課題の一つと言えます。
孤独な勉強期間を乗り越える方法
7年という長い期間、テクテク講師がどのようにモチベーションを維持したかというと、それは「周りの刺激」を求めることでした。
技術士を目指す勉強は孤独な戦いになりがちですが、周りに一緒に受験している仲間や、すでに技術士資格を持つ先輩がいたことが非常に大きかったのです。
- 定期的な対話:モチベーションが緩んでいると感じた時は、意識的に周りの人たちに「どう?」と状況を聞いていました。
- 強制的な行動:仲間が勉強していると聞くと、「やらなくなると怖い」という心理が働き、家に帰る前に1時間や2時間、喫茶店に寄って勉強する、という行動を自らに課していました。
このように、周囲の環境をうまく利用し、自分を適度に追い込むことで、モチベーションを自律的に維持していたのです。
試験直前1ヶ月の集中対策と時間の使い方
長期間の勉強を経て、いよいよ試験直前期に入ると、対策の質が合格を左右します。
テクテク講師は、試験直前の時間の使い方について、明確な戦略を持っていました。
- 最後の1ヶ月:徹底して手書きで書く練習を中心に行いました。
- 最後の1週間:この期間は、あえて余計な知識を逆に入れないように気をつけていました。
新しい知識を直前に入れてしまうと、焦りが生じ、本番で既存の知識を正確に書き出すことができなくなるリスクがあるからです。彼は、「今ある知識をちゃんと書けるような努力」だけに絞り、練習していたのです。これは、知識のインプットから、それを答案としてアウトプットする能力へと、焦点を完全にシフトさせることを意味します。
まとめ:技術士合格を目指すあなたへ
技術士試験への挑戦は、確かにハードルが高い道のりです。しかし、この勉強を通じて得られる知識の深さと、それに伴うキャリアの広がりは、計り知れない価値があります。
テクテク講師が実践した成功のポイントを再度確認しましょう。
- 知識だけでなく「書き方」を練習する:知識の詰め込みで終わらせず、外部の講座などを活用し、基礎点+アルファ点を狙える論文の構成力と表現力を徹底的に磨きましょう。
- 継続できる勉強時間を見つける:最初は毎日3時間程度の勉強を目指し、仕事帰りの喫茶店などを利用するなど、集中できる環境と時間を確保する工夫が合格を引き寄せます。
- 口頭試験対策は「伝わる話し方」の訓練:模擬面接を積極的に活用し、自身の経験や主張が試験官に正しく伝わるかを確認し、修正することが重要です。
- 諦めずに続ける:テクテク講師は「私も長い年月かかって取ってますんで、何回も失敗して良かったと思ってて」と語るように、その知識の深さが現在のキャリアを支えています。
あなたの努力は、技術士という確かな専門性となり、年収1,000万円超えのキャリアや、発注者支援業務(公共工事の発注者をサポートする仕事)といった高度な職域での活躍へと結びつきます。発注者支援業務と施工管理の違い、役割やキャリアパスに関しての詳細は
こちらの記事をご覧ください。
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