施工管理の給料は安い?平均年収と給料が低く感じる理由、年収を上げる方法を解説

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2025-12-16建設情報コラム

施工管理の給料は安い?平均年収と給料が低く感じる理由、年収を上げる方法を解説
施工管理の給料について調べると「給料が高い」「稼げる職業」という情報がある一方で、「給料が安い」「労働時間の割に合わない」という声も少なくありません。
実際のところ、施工管理の給料水準はどうなっているのでしょうか。

この記事では、施工管理の給料が安いと言われる理由を、客観的なデータと実態の両面から詳しく解説します。
他の建設職種との給料比較や、年収を上げるための具体的な方法もご紹介しますので、施工管理として働いている方やこれから目指す方は、ぜひ参考にしてください。
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施工管理の給料は本当に安いのか?平均年収データから検証

施工管理の給料が安いかどうかを判断するには、まず客観的なデータを確認する必要があります。
ここでは公的機関の統計データをもとに、施工管理の平均年収と、給料の幅が生まれる理由について見ていきましょう。

施工管理の残業の実態についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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施工管理の平均年収は約400万円~700万円

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、施工管理を含む建設技術者の平均年収は以下のようになっています。
年代 平均年収
20~24歳 約377万円
25~29歳 約506万円
30~34歳 約604万円
35~39歳 約664万円
40~44歳 約689万円
45~49歳 約729万円
50~54歳 約778万円
55~59歳 約782万円
※出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、全職種の平均年収は約530万円です。
これと比較すると、施工管理の給料は全体平均よりも高い水準にあることがわかります。

ただし、20代前半では平均以下の年収からスタートし、経験を積むことで徐々に年収が上がっていく傾向があるのが特徴です。

給料の幅が大きいのが施工管理の特徴

施工管理の給料を語る上で重要なのが、「給料の幅が非常に大きい」という点です。
同じ施工管理でも、年収300万円台の人もいれば、1,000万円以上稼ぐ人もいます。

この給料差が生まれる主な要因は以下の通りです。

  • 企業規模の違い:大手ゼネコンと地場の中小建設会社では200万円以上の差が出ることも
  • 資格の有無:1級施工管理技士の資格があると、年収が50万円~100万円以上高くなる傾向
  • 工事規模:大型プロジェクトを担当すると、それに応じた給料が支給される
  • 地域差:東京などの都市部と地方では、同じ仕事内容でも100万円以上の差
  • 雇用形態:正社員、派遣社員、契約社員で給料体系が大きく異なる
つまり、「施工管理の給料」と一括りにすることはできず、どの企業でどのような立場で働くかによって、給料が大きく変わってくるのです。

施工管理の給料が安いと感じる5つの心理的要因

データ上は平均以上の年収があっても、「給料が安い」と感じる施工管理は少なくありません。
ここでは、給料が安いと感じてしまう心理的な要因を5つ解説します。

施工管理に必要なスキルやキャリアアップ戦略についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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【要因1】労働時間の長さを考慮すると時給換算が低い

施工管理の仕事は労働時間が長くなりがちで、この点が「給料が安い」と感じる最大の要因となっています。

例えば、月給40万円で一見すると高給に見えても、月の残業時間が80時間あった場合、実質的な時給は約1,800円程度です。
これは、労働時間が短い他職種と比較すると決して高いとは言えません。

特に以下のようなケースでは、時給換算での給料の低さが顕著になります。

  • みなし残業制で残業代が実質的に支払われない
  • 休日出勤が多いが代休が取れない
  • 早朝出勤や夜間作業が頻繁にある
労働時間を考慮した「実質的な給料」という視点で見ると、年収の数字ほど恵まれていないと感じる方が多いのが実情です。

【要因2】責任の重さと給料のバランスが取れていない

施工管理は現場の安全管理、工程管理、品質管理、予算管理など、多岐にわたる重い責任を負います。
万が一、事故が発生したり工期が遅れたりすれば、その責任を問われる立場です。
管理項目 責任の内容
安全管理 作業員の命を預かる重大な責任、事故は即座に大問題に
工程管理 工期遅延は多額の損害賠償につながる可能性
品質管理 施工不良は建物の資産価値や安全性に直結
予算管理 予算超過は会社の利益を圧迫
   
他業界のマネジメント職と比較すると、同程度の責任を負う職種ではより高い給料が支払われているケースも多く、この点が「責任の割に給料が安い」という不満につながっています。

【要因3】基本給が低く手当や残業代で年収を作っている

施工管理の給料構造で注意すべきなのが、基本給と手当・残業代のバランスです。
年収が500万円あっても、その内訳を見ると基本給は20万円台で、残りは各種手当や残業代というケースも珍しくありません。

この給料構造には以下のような問題があります。

  • ボーナスが基本給連動の場合、実質的な額が少なくなる
  • 将来的な昇給幅が小さい(基本給の昇給は年3,000円~5,000円程度が一般的)
  • 残業が減ると収入が大幅に下がる
つまり、見かけ上の年収は高くても、給料の安定性や将来性に不安を感じやすい構造になっているのです。

【要因4】同世代の他業界と比較して見劣りする

大学の同期や友人と給料を比較したときに、IT業界や金融業界で働く人たちとの収入差を感じる施工管理も多いでしょう。

特に20代後半から30代前半にかけて、他業界では急激に年収が上がる一方で、施工管理は緩やかな上昇にとどまることが多く、この時期に給料の少なさを実感する方が多い傾向にあります。
また、「施工管理は稼げる」というイメージを持って業界に入った場合、現実とのギャップに失望してしまうこともあるでしょう。

【要因5】地方と都市部の給料格差が大きい

施工管理の給料には、勤務地による大きな格差が存在します。
東京などの都市部と地方では、同じ仕事内容、同じ経験年数でも100万円以上の差が出ることも珍しくありません。

地方で働く施工管理の中には、都市部の同業者と比較して「自分の給料は安い」と感じる方が多いのが実情です。
ただし、生活費の違いを考慮すると、実質的な生活水準はそこまで差がない場合もあります。

施工管理と他の建設職種の給料を比較

施工管理の給料が安いかどうかを判断するには、同じ建設業界の他職種と比較することも有効です。
ここでは、代表的な建設関連職種との給料比較を行います。

施工管理の働き方の実態については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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設計職・積算職との給料比較

建設業界で施工管理と並ぶ専門職として、設計職や積算職があります。
職種 平均年収 特徴
建築設計士 500万円~600万円 一級建築士取得で大幅アップ、残業は比較的少なめ
積算職 400万円~550万円 デスクワーク中心、ワークライフバランスは良好
施工管理 400万円~700万円 給料の幅が大きい、現場勤務で拘束時間が長い
   
設計職や積算職は、施工管理と比較して労働時間が短い傾向にあります。
そのため、時給換算で考えると、施工管理よりも高待遇と感じられるケースもあるでしょう。

ただし、施工管理は経験を積むことで年収の上限が高くなる傾向があり、長期的なキャリアを考えると給料面での優位性もあります。

CADオペレーター・事務職との給料比較

建設現場を支える職種として、CADオペレーターや事務職も重要な役割を担っています。
職種 平均年収 ワークライフバランス
CADオペレーター 350万円~450万円 定時退社が多い、休日出勤は少ない
建設業の事務職 300万円~400万円 残業少なめ、土日休みが基本
施工管理 400万円~700万円 残業・休日出勤が多い
   
年収だけを見れば施工管理の方が高いものの、労働時間やストレスを考慮すると、これらの職種の方が「割が良い」と感じる人もいるでしょう。
実際に、施工管理から事務職やCADオペレーターに転職する方も一定数います。

設備管理・ビルメンテナンス職との給料比較

施工管理の経験を活かせる転職先として、設備管理やビルメンテナンス職があります。
これらの職種の平均年収は350万円~500万円程度で、施工管理と比べると低めです。

しかし、以下のようなメリットがあります。
  • 夜勤はあるが残業時間は少ない
  • 土日祝日が休みの現場も多い
  • 精神的なプレッシャーが少ない
  • 転勤が少ない
年収は下がるものの、ワークライフバランスを重視して転職を選ぶ施工管理経験者も増えています。

給料が安い施工管理と高い施工管理の決定的な違い

同じ施工管理でも給料に大きな差が生まれる理由を、具体的に見ていきましょう。
給料が高い施工管理と低い施工管理では、どのような違いがあるのでしょうか。

こちらの記事では、施工管理から発注者支援業務への転職について解説しています。
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企業規模と工事規模の影響

施工管理の給料を決める最も大きな要因の一つが、勤務する企業の規模です。
企業分類 年収レンジ 特徴
大手ゼネコン 600万円~1,000万円以上 福利厚生充実、大型プロジェクト多数
中堅建設会社 450万円~650万円 バランス型、地域密着も多い
地場工務店 350万円~500万円 小規模工事中心、地域に根ざした経営
※出典:各企業の求人情報および業界調査データより

大手ゼネコンでは、大規模プロジェクトを担当する機会が多く、それに見合った給料が支払われます。
一方、地場の工務店では小規模な工事が中心となるため、給料水準も相対的に低くなる傾向があります。

資格の有無と給料の関係

施工管理技士の資格は、給料に直接的な影響を与える重要な要素です。
資格 年収レンジ 資格手当相場
無資格 350万円~450万円 なし
2級施工管理技士 400万円~550万円 月5,000円~1万円
1級施工管理技士 500万円~800万円以上 月1万円~5万円
   
1級施工管理技士の資格を取得すると、資格手当だけでなく、担当できる工事の幅が広がり、昇進・昇格の機会も増えます。
その結果、無資格者と比較して年収で200万円以上の差が出ることも珍しくありません。

雇用形態による給料の違い

施工管理の働き方には、正社員以外にも派遣社員や契約社員という選択肢があり、それぞれ給料体系が異なります。
雇用形態 月収目安 メリット デメリット
正社員 30万円~50万円 安定性、福利厚生、退職金 昇給ペースが緩やか
派遣・契約 50万円~70万円 高収入、経験次第で交渉可 不安定、福利厚生なし
   
派遣や契約社員として働く場合、月収ベースでは正社員を大きく上回ることがあります。
ただし、ボーナスや退職金がないため、生涯年収で考えると必ずしも有利とは限りません。

短期間で効率的に稼ぎたい場合は派遣、長期的な安定を求める場合は正社員という選択になるでしょう。

施工管理で給料を上げる5つの現実的な方法

給料が安いと感じている施工管理の方に向けて、年収を上げるための具体的な方法を5つご紹介します。

こちらの記事では、施工管理の資格取得順について解説しています。
気になる方はチェックしてみましょう。
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1級施工管理技士の資格を取得する

施工管理として給料を上げる最も確実な方法が、1級施工管理技士の資格取得です。

資格取得による年収アップ効果は以下の通りです。
  • 資格手当が月1万円~5万円(年間12万円~60万円)
  • 昇進・昇格のスピードが早くなる
  • 転職市場での評価が大幅に上がる
  • 大規模工事の監理技術者として配置可能
1級施工管理技士の取得には、一定の実務経験が必要です。
2級を取得してから実務経験を積み、1級にステップアップするのが一般的なルートとなります。

多くの企業では資格取得支援制度を設けており、受験費用や講習費用を補助してくれるケースもあるため、積極的に活用しましょう。

大手ゼネコンや優良企業への転職を検討する

現在の給料に不満がある場合、より条件の良い企業への転職も有効な選択肢です。
転職による年収アップの実例としては、以下のようなケースがあります。
  • 中小建設会社から中堅ゼネコンへ転職:年収450万円→600万円(+150万円)
  • 地方の建設会社から東京の大手ゼネコンへ転職:年収500万円→750万円(+250万円)
転職に有利なタイミングは、30代前半~40代前半で、1級施工管理技士の資格と大型プロジェクトの経験がある場合です。
転職エージェントを活用すれば、非公開求人や給料交渉のサポートも受けられます。

大規模プロジェクトの経験を積む

担当する工事の規模が大きいほど、給料も高くなる傾向があります。大規模プロジェクトの経験は、以下の点で給料アップにつながります。
  • 難易度の高い工事を成功させた実績として評価される
  • プロジェクト手当や成功報酬が支給されることがある
  • 転職時の市場価値が高まる
社内で大型案件への配属を希望したり、大規模工事を多く手がける企業への転職を検討したりすることで、経験を積む機会を増やせます。

専門分野に特化してスペシャリストを目指す

特定の分野に特化することで、希少価値を高めて給料アップを実現する方法もあります。
専門性が評価される分野の例は以下の通りです。
  • プラント建設(化学、製鉄、発電所など)
  • インフラ工事(トンネル、橋梁、ダムなど)
  • 改修・リニューアル工事(歴史的建造物、耐震補強など)
  • 特殊工法(免震構造、大深度地下工事など)
これらの分野では、一般的な建築工事よりも高い給料が設定されているケースが多く、専門知識を証明する関連資格を複数取得することで、さらに市場価値を高められます。

給料交渉や昇給交渉のタイミングを見極める

多くの施工管理は給料交渉に消極的ですが、適切なタイミングで交渉することで、昇給を実現できる可能性があります。

給料交渉に適したタイミングは以下の通りです。
  • 1級施工管理技士など難関資格を取得した直後
  • 大型プロジェクトを成功させた後
  • 会社の業績が好調な時期
  • 年度の評価面談の場
交渉の際は、自分の実績や市場価値を具体的な数字で示すことが重要です。
同業他社の給料水準や、自分が会社に貢献した成果を明確にすることで、説得力が増します。

ただし、交渉しても昇給が難しい場合は、転職を視野に入れた方が早く給料を上げられることもあります。

まとめ:施工管理の給料は「安い」のか「高い」のか

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施工管理の給料について、データと実態の両面から見てきました。
結論として、施工管理の給料は平均的には決して安くありませんが、労働時間や責任の重さを考慮すると「割に合わない」と感じる方が多いのも事実です。

重要なのは、施工管理の給料には大きな幅があり、企業規模、資格の有無、経験、地域などによって年収に数百万円の差が出るという点です。
給料が安いと感じている場合、資格取得や転職などによって状況を改善できる可能性は十分にあります。

自分のキャリアプランと生活設計に合った働き方を選択することが何より重要です。データと実態を正しく理解した上で、納得できる選択をしてください。
施工管理としてのスキルと経験は、建設業界で長く価値を持ち続ける資産です。

適切なキャリア戦略を立てることで、給料面での不満を解消し、充実した職業人生を送れるでしょう。

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